「渚はやっぱり、俺を困らせるのが得意だね……。後で教えてあげるから、明日までにちゃんと終わらせよう」


「本当!?」


「渚の頭じゃ、どう頑張っても一日で出来ないでしょ」


「ひっどーい!」


頬を膨らませたあたしに、雪ちゃんがクスクスと笑う。


「ほら、拗ねないでよ」


抗議をしようと思ったのに、彼があたしのご機嫌を取るように微笑むから、そんな事は出来なくなる。


「拗ねてないもん……」


その笑顔に簡単に負けてしまったあたしは、まだ少しだけ頬を膨らませたまま雪ちゃんの手を握った。