― ピンポーン、ピンポン……


迷う事無く伸ばした指先で、インターホンを無遠慮に連打した。


「はい?」


スピーカーから聞こえて来たのは、雪ちゃんのおばさんの怪訝そうな声。


「おばさっ……!」


「渚ちゃんっ!?」


息を切らしながら言ったあたしに、おばさんは驚きを隠せなかったみたい。


「おばさんっ……!雪ちゃんに……会わせてっ……!」


まだ整わない呼吸に邪魔をされて、声にした言葉が途切れ途切れになってしまった。


息を整えている間、おばさんからの返事は無かった。