申し訳程度に並んだ街灯に照らされた道を、夜の闇を切るようにがむしゃらに走った。


視界に広がる景色は涙でぼやけて滲んでいるけど、子どもの頃から歩き慣れた道だから大した影響は無い。


さっきから苦しい胸の辺りは、走っている事によって更に苦しさを増して……。


何度も喉がヒュッと鳴り、その度に息が上手く出来なくなって咳込んだ。


だけど、今のあたしにとって、体が感じる苦しさなんてどうでも良くて……。


ただ雪ちゃんに会いたい一心で、もう何度も通った道を全力で駆け抜けた。


そして、ようやく彼の家に辿り着いた。