落とされた小さなため息に俯けば、雪ちゃんがあたしの顔を覗き込んで来た。


「それで、その物理の宿題はちゃんと終わったの?」


「ま、まだ……」


「提出はいつ?」


「明日……」


小さく答えると、雪ちゃんが呆れたような顔をした。


「だっ、大丈夫だよ!今日も徹夜で頑張って、ちゃんと終わらせるから!」


咄嗟にフォローをしたけど、あたしの能力ではそれは到底叶いそうに無い事は、あたしも彼もわかっている。


雪ちゃんはもう一度ため息を落とした後、呆れたように微笑みながらあたしの頭をポンと撫でた。