カラフルなドット柄の生地のカーテン越しに、窓の向こうが明るくなっている事に気付いて……。


スズメの囀りを聞きながら、ボーッとしている頭で朝を迎えたんだって事を理解した。


あたしの気持ちを嘲笑うかのように昇った太陽を、無情だとすら思ってしまう。


どんな時でも夜は明けるんだって事を、痛いくらいに思い知らされた。


「雪ちゃん……」


泣き過ぎたせいですっかり掠れてしまった声で呼んだ、誰よりも愛おしい人の名前。


だけど……。


返事はもちろん、一晩中握り締めていた携帯が鳴る事も無かった──。