優しい愛がこもったキスを貰った唇が、またワガママに動く。


「もう一回……」


「後で嫌ってくらいしてあげるよ」


「雪ちゃんとのキスなのに、嫌になる訳ないよ?」


悪戯な笑顔を見せた雪ちゃんに小首を傾げて返せば、彼が面食らったように笑った。


雪ちゃん……。


あたし、雪ちゃんをどんどん好きになっていくよ……。


だから、ずっと一緒にいてね?


まだ子どもだったあたしは、口癖の“ずっと”は叶うものだって信じて疑わなかった。


当たり前にある、“未来”だと思っていたんだ──。