「トモちゃん、大丈夫ぅ~。」


ナツキはそう言ってお姉さんを、もう転ばないように自分の前に立たせる。

お姉さんは、両手でピンクに染まった頬を包んだまま振り向いて、


「ご、ごめんなさいっ!店長さん、足、痛くなかったですか?」と言った。


「ああ、全然大丈夫。気にしないで。」


店長さんが優しく笑う。

ヨッシーのような派手さはないけど、

クラスにいたら、必ず3人くらいは隠れファンがいそうな静かな存在感のある人だ。