「あの、蛍さん。 ちょっとお時間いただけるかしら?」 会社に戻るために霎介さんの書斎を出て来た蛍さんを台所に引っ張り込む。 きょとんとしていた蛍さんも相談が、と切り出すとすぐに聞く態勢に入ってくれた。 私は彼女に清太郎さんの事を相談した。 彼の取った行動、 あの日以来、彼はここを遠巻きにしているようで、また私もどう接すれば良いのか迷いあぐねていること… 「……………」 話を聞いているうち、蛍さんの顔がだんだんと険しいものとなっていく。 美人なだけにその表情にはなかなか迫力があった。