藁半紙の原稿

のそりと、布団から霎介さんが身を起こす。


雨戸を開けると直接差し込む朝日に目をしかめる。




「……む、おはよう」



けだるげな表情に、浴衣から覗く胸元に、鼓動が一際大きくなる。

顔が熱い。

雨戸を全て開け終えると手持ち無沙汰になった。




「朝ご飯、お持ちいたしますね」

「何故だい?
いつも通り一緒に食べるよ。
あと敬語」


何ともなしにぴしゃりと返され何も言えず私はそそくさと台所へと戻った。