藁半紙の原稿

早朝。


「…………」


いつものように、朝日が顔を出す前に目が覚める。





身を起こすと、昨晩あれだけほてった身体はさっぱりと元の体温を取り戻していた。


あの時、一時の熱が過ぎ去った後、霎介さんは力の入らない私を私の部屋まで運んでくれた。

彼は何食わぬ顔でただ一言、いつもの通り「明日もよろしく」とだけ言って出ていった。


正直、まだ頭が混乱している。
何故彼があんな行為に至ったのかわからない。

それどころか、彼が私をどう思っているのかも、わからなかった。





いつもの通り、朝食の支度を整えてから霎介さんを起こしに行く。



「霎介さん、おはようございます」