何で笑っていられる?


何で楽しそうにしていられる?





脳味噌、腐ってんじゃねぇのか。



「あー?んだお前」





「ここの生徒だよ。いいからその女から離れろ」



よろり未來が立ち上がって、こっちに向かってこようとする。それを制するように赤毛の男が未來を後ろから抱き締めた。






「ダメダメ、君はこっちにいてもらわないと」



「やっ、離してよ!」





バタバタと男の腕の中で藻掻く未來。嘲る男の顔が無性に腹立たしくて、俺は目の前の金髪を蹴り上げた。







―――バキ。何かが折れたような、そんな音がする。








「っ…!!?」



「離せっつってんだよ、聞こえねぇのか?」





未來を掴んでいた赤毛は一瞬目を見開き、すぐにニヤリ笑った。






「へっ、この女がそんなに大切か。惚れてんのかよっ!」




赤毛が一発、俺を殴る。あ、やべ油断したわ。








だってこいつ、惚れてるのか、なんて言うから。