そう、今日は新しい小学校に行く。友達できるかな?とかじゃなくて、どちらかというと、新しい小学校に慣れるかどうかの方が心配だった。友達は、前の学校でも出来なかったし、どうってことないんだけど……





「はい、着いてきてくれると嬉しいです。」





僕の言葉に、ルミさんは、ニッコリと笑った。ルミさんは、ニッコリと笑うことが多い。どこか綺麗で、それでいて心から笑うような、そんな笑顔。





「ごちそうさまでした……。」





僕は、食べ終わった食器をキッチンに持っていって、流しに入れた。そして、食器を水につける。洗った方がいいのだろうか……





「あ!椿、いいよ。そっからは、私、お母さんの役目だ。」





お母さん……。ルミさんは、昨日僕のことを息子だと言ってくれた。でも、昨日の時点では、あんまり僕らの間に、親子というものは、無かったと思う。





「どうしたの?遅刻するよ?」





僕は、慌てて食器を流しにおき、自分の部屋に向かった。僕は荷物が少なかったから、広い部屋はがらがらとしていた。でも、この部屋は、綺麗にしたかった。