「おまたせ」
佐藤と話し終わった翔が
優奈に笑顔を向けて駆け寄る。
そんな翔の笑顔とは反対に優奈の表情は少し沈んでいて…
翔が優奈の顔を覗き込もうと屈むと
それに気付いたのか、優奈がすたすたと歩き始めた。
翔が慌ててその後を追う。
「優奈?
なんかあった?」
「……」
翔に横に並ばれないように早足で歩く優奈が
翔の言葉に一瞬ぴくっと反応して…
また歩き出す。
「優奈ー?」
「……」
「優奈ちゃん?」
「……」
いくら呼んでも返事をしない優奈に翔が小さくため息をついて…
優奈の腕を掴み、学校の塀に押し倒す。
「ちょっとっ、翔…」
壁と翔に挟まれた優奈が戸惑って翔を見上げて…
そんな優奈を見て翔が口を開く。
「優奈が無視するからじゃん?
何隠してんの?」
「……」
優奈が翔から視線を逸らして口を尖らせる。
学校の正門からは見えない場所でも
いつ誰が来てもおかしくない事が
優奈を落ち着かせない。
ましてや、
翔に至近距離で見つめれて…
優奈が俯く。
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