【短編】微糖キャンディー



「大丈夫?ケガ?」


同じクラスの佐藤が心配そうに話しかける。


「あぁ、でも平気。

絆創膏もらって貼っとくから」


佐藤は少し派手目の女子のグループに入っている。


だからてっきり性格もそうなんだろうと思っていた翔の予想が崩されたのは
席替えで隣になった時だった。


見た目は普通より派手なのに
性格は几帳面でわりとお節介だった。


翔が風邪で休んだ時には
わざわざノートをとっといてくれたし

教室に置いてある小さな観葉植物に水をやっているのも佐藤だった。


いつもクリーム色みたいなベージュのカーディガンを着ていて
その後ろ姿は少しだけ優奈を想像させた。



「あたし持ってるから貼ってあげるよ」


佐藤がにこっと笑いながらポケットから絆創膏を取り出してみせた。


「あ、サンキュ」


翔が腕を差し出すと
佐藤が絆創膏を丁寧に貼る。


その指に…


小さくキラキラ光る指輪を見つけた。



「佐藤、これ買ったの?

いくらくらい?」


翔の言葉に佐藤が自分の指に目を向ける。


そこにはビーズで作った可愛らしい指輪がはまっていて…

佐藤がふっと笑顔になった。


「買ったってゆうか…

うちビーズとか売ってる雑貨屋だから…

 
…早川くんビーズとか興味あるの?(笑)」


佐藤が笑って首を傾げながら聞いてきた事に
翔が少し顔を赤くしながら首の後ろのあたりをかく。



「あー…うん。

つぅか…ほら、もうすぐホワイトデーじゃん?


それで、さ(笑)」


柄にもなく照れてしまった自分に余計気まずくなりながら言うと
佐藤がにっこり笑った。


「へぇ…優しいね。

2000円くらいだよ。


あ、今度いくつか持ってくるから選ぶ?」



佐藤の言葉に少し黙って…

難しい表情を浮かべた後、翔が頷いた。





優奈の照れた笑顔が頭に浮かぶようで…




翔が慌てて口元を押さえた。




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