【短編】微糖キャンディー



ドアを開けてから自慢気に振り向く翔に

優奈が驚きの表情を向ける。



「オレ、結構ここでさぼったりしてるからさ(笑)

3ヶ月くらい前にマスターしたんだ~。


ほら、ここの鍵ボロいじゃん?

だからちょっとこうしてやると簡単に開くんだ」



翔が話しながら

机に置いたカバンに優奈からのチーズケーキの入った箱を詰める。



そして2人分のカバンを持って優奈の隣に立った。



「…翔、騙したでしょ」


優奈が口を尖らせながら翔を見上げる。



「なにが?」


「こんなに簡単にドアが開くなんて知らなかったもんっ」


「でも約束は約束だもん(笑)

それに優奈に用意したホワイトデーのプレゼント部屋に忘れて来ちゃったから
どっちみちオレの部屋に寄ってもらわないとだし?


さ、帰ろ」



意味深な笑みを浮かべる翔が優奈に手を差し出して…


少し顔を赤くした優奈が少し躊躇した後…

翔の手を握った。







翔の制服のポケットの中で


淡いピンク色の指輪が転がる。





その指輪が無事優奈の指に収まったのは…




優奈が翔の部屋を訪れてから

しばらく経った後の事…









FIN



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