「なんだよ~…
オレ、嫌われたのかと思ってマジ心配してたのに…」
「そんな事言ったって
翔が手作りがいいって言ったんじゃないっ
かなり頑張って作ったんだよ?
昨日遅くまでかかって…」
「…知ってる。
優奈の部屋の電気がつくの見てたから。
ねぇ、優奈…」
翔がチーズケーキの入った箱を机に置き
優奈の手を掴み、自分の胸に引き寄せる。
抱き締められるような格好に
優奈の体が小さく跳ねたのが分かった。
「オレの親にバレるのどうしてもヤダ?
オレはちゃんと紹介したいんだけど…」
ぎゅっと抱き締めると
自分の体にすっぽりと包まれてしまう優奈が
余計に愛しくなる。
片手で優奈の背中に手を回し
もう片方の手で優奈の髪を撫でる。
古い書籍の匂いに混ざって香ってくる甘い香に
翔が目を閉じる。
「だって…
あたし翔が小さい頃からずっとおばさんに『翔をお願いね』って言われてきたんだよ?
それなのにあたしが翔に手出したなんて…
気まずいよ…」
優奈の言葉に翔が少し顔を歪めて…
そして
優奈を抱き締める腕を少し緩める。
翔が腕の中の優奈を見つめると
それに気付いた優奈が翔を見上げた。
「じゃあ、親には内緒にするから
学校では普通に彼氏面してもいい?」
翔の言葉に優奈が少し黙る。
「つぅか、もうそうする。
オレ優奈を自慢したいもん。
堂々とオレの彼女だって言いたいもん。
それに今日オレの誕生日だし、これはもう決定ね」
有無を言わせない翔の言葉に…
優奈が少し納得いかない表情を浮かべて…
膨れて膨れて見せる。
「あと優奈勘違いしてるよ。
手を出すのは優奈じゃない。
…オレが優奈に手出すんだよ」
ふっと笑みを浮かべた直後、
翔が優奈の唇を塞ぐ。
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