【短編】微糖キャンディー




「だって…そんなん…

周りなんかどうだって…」


「よくないのっ

…翔女心わかってない」


全く訳がわからないといった態度をする翔に
優奈が口を尖らせる。


「女心って…

そんな事言うんなら優奈だってオレの気持ち全然分かってないよ」



言い返すつもりなんかなかったのに…





目の前の優奈に…


2人きりのこの空間に…


翔の熱が過熱する。



「優奈が誰にも言いたがらないのを
オレがどんな気持ちで見てたかわかってんの?


だいたい、オレの事本当に彼氏だと思ってる?


いっつもガキ扱いして…

オレいっつも優奈の言う通りでさ…


オレの事、本当に男として見てる?」




今までの不安が…

言葉になって優奈を捕らえる。



翔の真剣な顔に優奈が言葉を失って…


表情が歪み、目に涙が浮かび始める。




「…思ってるよ」


小さな声と一緒に優奈の頬に涙が流れた。


その涙に翔が慌てたように優奈に近寄る。


「優奈…

ごめん…泣かすつもりじゃ…」


今まで長い間一緒にいても
優奈が泣くところなんかめったに見たことのない翔が
動揺を見せながら謝る。


ポロポロと涙を流す優奈に視線を合わせるために翔が少し屈むと

優奈が俯いた。



「翔の事…

ちゃんと彼氏だと思ってるよ…


だから…

この間だって翔が仲良さそうに女の子と話してたからやきもち妬いて…


あんな可愛くない態度とって…」



泣きながら言う優奈の言葉を

翔が心配そうに見つめながら聞く。





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