好きで好きでずっと追いかけてきた優奈が…
隣になった途端に遠くなった気がした。
近づいて…
触れる事もできるのになぜか遠くて…
バレンタインの優奈の言葉でさえも幻に思えてきて…
その日の夜遅くに灯った優奈の部屋の明かりを見ながらケータイを開いて…
また閉じた。
優奈が今何を考えてるのか知りたくて…
でも
知りたくなくて…
優奈が自分を裏切るような事をしないのは分かってるのに…
今日誰と会ってたのか、何をしていたのか気になって…
こんな弱い自分を知られたくなくてケータイを放り投げる。
『同い歳だったらこんな心配しないのかもしれない』
『年上だったら優奈をあんな風に怒らせたりしないのかもしれない』
くだらない事ばかりが頭に浮かんで
翔がベットにボスンと仰向けになる。
自分だけを見て欲しい。
自分だけを好きでいて欲しい。
それだけの事が
難しい。
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