「莉音、帰るぞ~!」 莉音はそう声をかける俺を見つけ、慌てて帰る用意をする。 「まっ待って! 佑斗…!」 そんな急がなくても… バサバサッ 「あっ″」 「莉音~何やってんだよ? そんな急がなくても、いいよ。 先帰ったりなんか、しないから。」 そう笑いかけながら、莉音の落とした教科書たちをひらう。 「…ごめんね…?」 そう悲しそうに言う莉音。 「どうした? 何かあったのか?」 「…ううん」 そう首を、横にふる。