ここでどういうわけか、私の相棒が役に立った。 相棒のレンズを向けると、船を襲う腕が動きを鈍くした。 シャッターを切れば、少しの間だが、渦の主は腕を縮めて身を固めた。 銃を構えるエンの隣で、私は夢中になってシャッターを切り続けた。 その間も、珊瑚は砕かれ、船は渦の中心へと引き込まれていった。 「くそ、結局何も変わらない。あの化け物に喰われるか、砂に溺れるかだ」