Mary's Boy Child ―お父さんとお母さんはねこになった―



騙された振りをして家に帰宅し、仙太郎が手を洗っている間におれ達は息子の自室へ足を伸ばす。

オモチャ箱の中身を確認すると、「おれ達がいるな」「ほんとね」笑ってそれらを取り出した。


「どこで拾ってきたのかしら、仙太郎」

「どうでもいいじゃないか。お前たちが教えてくれたから…、おれ達は息子の危機に気付けたんだ。大切なことも教えてくれた。本当にありがとな」

「ふふっ、この子達の仙太郎に対する恩返しだったり」

「そうかもな。今の季節の外は身に沁みるしな」


腕に抱えて、それらをリビングのクリスマスツリーに置いてやる。

早速それらは飾りをおもむろに手で突いて遊び始めた。


「なんだか、夢みたいな夢を見たわね。昔、今、未来を見るなんて」

「そういう童話があったな。おれ達は傲慢なエベネーザ・スクルージか?」


「仕事ばかりに目がいっていたのだから、そうかもね」

「…かもな。もう少し、お前や仙太郎に向けないとな」


それはわたしもよ、頼子が目尻を下げた。


喧嘩してもやっぱり貴方を選んでよかったわ、小っ恥ずかしい台詞におれは照れた。


よせって、顔が赤くなるだろーよ。