人目もナリも構わず、おれは息子を抱き締めて良かったと零した。
遅れて駆けて来る頼子も両膝をついて、息子の安否を確認。
無事なことを自分の目で確認した頼子は、はらはらっと大粒の涙を零した。
「い、痛いよ」
おれと頼子に抱擁されている仙太郎は、未だおれ達の登場に動揺を隠しきれていないみたいだ。
戸惑いを声音に巻いている。
「お父さん、お母さん、どうして此処にいるの?」
それはお前が大ピンチだったからだよ。
いや、違うな、ちがうよな。
「約束したじゃないか。イルミネーション観に行くって…、お前こそ、ひとりで駄目じゃないか。
……駄目なのは、おれ達だな。ごめん、ごめんな仙太郎」
「ごめんね。仙太郎、ひとりにして…本当にごめんね」
やんわり叱られたり、謝られたり、仙太郎には混乱の要素でいっぱいらしい。
うんっと首を捻って、ひたすらおれ達の抱擁を受け止めていた。



