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ぽっかりと浮かぶ真ん丸お月さま。


すっかり日の落ちた寒空の下。
 

おれと頼子は塀の縁を歩いて仙太郎と肩を並べていた。


こういう場合、体を並べていたという表現が正しいのだろうか?


とにもかくにも得体の知れない押し売り悪徳小人(サンタクロース?)の後を、健気についていく我が息子に嘆きたくなった。

知らない奴にはついて行くな。

家にも上がらせるな。


チェーンを掛けてから外を窺うようにしろ、ドアスコープは使用しろ。


あれほど口酸っぱく注意をしていたというのに、教育をすべて霧散された気分。

それだけ仙太郎の気持ちも浮ついていたのかもしれない。

クリスマス・イブということだけあって、仙太郎自身も鼻歌を歌ってクリスマスソングを歌っている。


「ウィン・ウィッシュ・ア・クリスマス!」


口ずさんでいる英語の意味、絶対分かってないだろう。

そして節々歌詞が間違っている。

ツッコみたいのに、言語がない。


ああ不便。