あの頃の祐希は私のことが好きだったんだよね?



……でも、今は?




1人で少し切ない気持ちになりながらも、私達は下駄箱で靴を履き替えて校舎を出た。



外に出ると冷たい風が頬を撫でる。


熱を持った今の私の頬には丁度いい。




そして、2人で無言のままちょうど校舎を出たとき。



祐希が私を見た。




「杏理、マフラーないの?」


「あー…うん。朝急いでたから忘れちゃって」




ははっと笑ってみせると、祐希は自分のマフラーを解き始めた。