突然聞こえた上からの軋みに、大きな声を出す寸での所でいきとどまる。 そえでも僕は口を押え、視線を上に、天井をへと向けた。 ギィ――……ギィ――……。 やはり聞こえる床の軋み。外観からするにこの屋敷に二階があってもおかしくはない。だとすれば歩いているのは誰か。 雛か、薺。 どちらかと、見えない空間故に見極めも出来ないのに只天井を見つめていた。が。 僕の立っている数歩先で、何かが倒れた時に似た大きな物音が鳴り、 「ご、め……なさ……っ!」 微かにだが雛の声が聞こえた。