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投げ出された体を反転させ、扉の方を向けば通常ではあり得ないスピードで扉は閉ざされた。


「ひな……ひな……」


目も手も激痛に見舞われる。確かに痛いのに痛覚が鈍くなって、頭の中が雛で一杯になった。

どうして?何で?何が嘘でどれが本当?


「雛!」


もう一度扉に向かって呼び掛け、顔を上げると白が視界にちらついた。

扉の真上の階。今に破られた封じる板。僕を見下して笑う白。手には銀の包丁。その白は泣いた。その白は笑った。

その白は白を殺した。

白は全て赤に染まり、崩れて姿が見えなくなった。


「……ぁ、ぁ……」


全てが赤に飲み込まれていく。


僕が最後に聞いたのは村から聴こえた子供たちが帰る時に歌う歌。見ていたのは、真っ赤な真っ赤な夕暮れだけだった。

遊びの時間は終わった。





【END】