背筋のピンと伸びたこの後ろ姿が好きだ。




緊張しているせいか、いつもよりも姿勢が良い。





グラスを戻しに行った先生の背中を見つめながら、改めて先生が好きだな、なんて感じてる。




戻ってきた先生は私の腰に軽く手を当てて、海辺の方へ歩く。




騒がしかった庭園だけど、少し歩いただけでとても静かな場所が見つかった。





「晴れて良かった。たっくんの願いが通じたんだろうな」





結婚式1カ月前くらいから、先生とたっくんは何度も会っていた。




結婚式のことや二次会のことでいろんな話があったんだと思う。




話した内容はいつも教えてくれなかったけど、先生はすごく嬉しそうだったんだ。







「ゆかりのパパも元気そうで良かった」



「そうだな」





去年の秋にプロポーズをしたたっくん。




本当は今年の夏くらいに挙式予定だったんだけど、少し早めることにした。



年末にゆかりのお父さんの具合が悪くなり、入退院を繰り返していた。



少しでも早く安心させたいんだと言ったたっくんの表情が忘れられない。




しっかりしたね、たっくん。



昔のたっくんとは別人のようだね。





いろいろあったたっくんとゆかりが、今日・・・・・・結婚するんだね。