―文化祭―






澄み切った空。



心地良い初夏の風の中、私とゆかりは走った。



懐かしいこの坂道を。





母校に足を踏み入れるといつでも高校生に戻ることができる。






「おい、待てよ~」





呼び止めるたっくんを置いて、私達は走る。




懐かしいね。



タイムスリップしたみたいだね。


あの頃に・・・・・・








毎日歩いたこの坂道。



いつも先生を想って歩いた道。




桜の木。



淡い緑の葉が嬉しそう。







「直~!まだ体力残ってるね~」




「そうだね。まだまだ大丈夫だね」






今日は、私の大好きな友達が大集合する。





文化祭。



午後に行われるラブラブカップル大集合というイベントに出場することになっている私とゆかりは朝から髪を巻いたりオシャレをして準備していた。