俺は静かに宮崎に近付いて、小さな声で



「まだ話すか」と聞いた。





「もういいです」と宮崎が言ったので、俺は宮崎を抱えるようにして起こした。





喜多先生が宮崎を体育館の後ろへと連れて行った。






俺は深呼吸をして、話し始めた。






「俺がもう何も言わなくても、みんなの心にちゃんと届いたと思う。いろんな意見はあるだろう。でも、悪いことをした時にこんなに大勢の人の前で謝ることができるってすごいことだと俺は思う。みんなはできるか?勇気を出すこと、そして・・・・・・許すこと。どちらもなかなかできることじゃない。みんなが今感じていることを、絶対に忘れないでくれ。ちゃんと自分の中で考えて、今から行動に移して欲しい。それでは、学年集会を終わります」







俺は泣いていたと思う。





他にも泣いている先生がたくさんいた。




生徒も泣いている子がいた。








こんな集会は初めてだった。





涙に濡れた学年集会は、将来のこの子達にとって絶対にプラスになることだろう。