中学一年生の頃からの付き合いで、現在が高校二年生であるから、今年で五年目の仲である。

行動が子供っぽくわがままな心に対して、落ち着いていて素直な性格。
ただ、心に出会ってからは、ロングヘアーの心に対抗して、セミロング一筋だった髪をなぜかショートヘアーにしたり、ギャルギャルした服装を好む心に対し、ボーイッシュで挑むなど、心と反対の事をしたがる癖があった。


「…あ、あのさあ圭子?」

「なあに?」

「あ…やっぱり、何でもない。」

「はあ?」

-圭子に言っても、仕方がない事よね。あの手紙の事は…
『真夜中の十二時』も安心しろって、言ってくれたし。圭子に迷惑かける訳にも…-

あの様な手紙を受け取ってから、昨日の今日と言う事もあり、憂鬱な気分の心だったが、その日は、何事も無く過ぎていった。

そして次の日も、その次の日も。

「…ただの悪戯、だったのかしら?」

だが、それはいわゆる、嵐の前の静けさに過ぎなかった。