「やだ…


トモ、お願いだから…


お願い…



消えないで…」



届かないのは分かっていた。


無理なのはわかっていた。






それでも…



そう願わずにはいられない。







「トモに…

消えてほしくない…



そんなの…



そんなのやだよ…」




何を言ってもトモは優しく微笑むだけで…



何を言っても…






トモは



もう…





「…おまえなら大丈夫だよ。

必死に生きろ。


なんとかなるから」



わざとなのかケロッと言うトモに

美鈴が小さく口を開く。



「…なにそれ(笑)」



「笑ってろよ。

可愛いから」







……―――――ドクンッ





急に心臓の音が大きくなった。


自分でも戸惑うほどに大きく早く…



ドクドクと体中に響き渡る。





「そろそろ時間だな」



美鈴の変化を感じたのか

トモがすっと美鈴に近づく。




自分の体を不安気に見つめていた美鈴が
そんなトモに気付き顔をあげた。




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