「おまたせ」
伏せていた目をあげると
そこにはトモの姿があった。
……―――――??
でも…
その姿は今までとは少し違っていて…
美鈴が目を疑うように瞬きをする。
「…トモ?
なんか…体が透けてるよ?」
美鈴の言葉にトモが自分の手を見て…
「ああ(笑)」っと笑った。
「上に逝くから?
あたしも透けてくるの?」
美鈴の言葉にトモが美鈴を見つめて…
ふっと優しい笑顔を作る。
「おまえは透けない」
「…ふぅん」
なんだか不思議な胸騒ぎがして…
でもこれから死ぬんだから当たり前だと自分に言い聞かせていた時…
トモが口を開いた。
「つぅかさ、
おまえはまだこっちにくんな」
トモの言葉に…
美鈴が首を傾げる。
「え?」
トモは笑っているだけで…
そんなトモに不安になった美鈴がトモに近づく。
「だって…
あたし死ぬんだよ?
くんなって言われたって…
そんなの無理…」
トモに近づこうとしていた美鈴の足が止まる。
自らの意思じゃなかった。
下から引っ張られているような感覚に…
重たい重力でもかかっているような感覚に…
美鈴の目が下に向けられる。
「…動けねぇだろ」
不思議そうに下の闇を見つめる美鈴に
トモが声をかけた。
訳がわからない様子で見つめてくる美鈴に…
トモがにっと笑う。
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