【短編】Last Love~死神のキス~





あ…




あたし死んじゃったっぽい。











ついさっきの映像が頭に蘇る。




車道に飛び出した美鈴を大型トラックのライトが照らす。


眩しくて手を目の上にかざして―――…









考えるだけで背筋がぞっとした。






「死んじゃったっぽいって…

おまえの感想はそれだけ?(笑)」



誰のものだかわからない声が突然降ってきて

美鈴が目を開けた。



「……??」



周りは真っ暗な闇で何も見えない。








なに…これ…







「よう」



呆然と立ち尽くしていた美鈴の前に

突然真っ黒い服に身を包んだ男が姿を現した。



長めの黒い髪が目にかかっている。



「オレ、トモ」



そう言ってにっと笑った口元から八重歯が覗いた。


黒いトレンチコートの下に黒いパーカー、

下も黒いズボンで靴まで黒い…





どんだけ黒が好き…ってそれどころじゃない!





「あのっ、ここどこ?

ってゆうかあたしなんでここにいるの?」


慌てて話し始めた美鈴にトモが首を傾げて少し笑った。


「…さっき自分で言ってたじゃん。

おまえ死んだんだよ。


まぁ、もっと詳しく言えば死にそうな感じ。

ってゆうかもう死ぬんだけど」




『死』

その言葉を何度も連呼されて…


美鈴の表情が消える。


少し俯くと

胸の下辺りまで伸ばしたストレートの髪が顔を隠すように流れてきた。



「で、ここは死の世界と人間界の中間地点に存在する空間。

オレがおまえを死の世界に案内する係」



そう言って親指で自分の顔を指す男に

美鈴が無表情のまま口を開く。






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