……―――――消滅?







「スズ?

どうかした?」



覗き込むようにして美鈴の表情を見つめるトモに

美鈴が笑顔を作る。


「あ、ううん。なんでもない。

…死神も大変なんだなって思って」


「そ、なかなか大変なんですよ(笑)」


トモが笑ってまた空を眺める。









動揺しちゃいけないのに…


気持ちがトモに伝わっちゃうのに…




混乱した頭を整理するのに時間がかかった。





今隣にいるのに…


触れているのに…


一緒に笑っているのに…



そんなトモが消滅するなんて…


いなくなるなんて…





考えられなくて…






すごく恐くなった。







たった数時間前に逢ったばかりなのに…


トモがいなくなる事が嫌で…





『離れたくない』




そんな思いが頭を支配する。












こんな気持ち…変だ。








だって…




あたし死ぬんだよ…?







もうすぐ




死んじゃうのに…












トモは死神なのに…










こんな気持ち、間違ってる。













トモが好きなんて…







間違ってる。













.