「…途中で暴れだしちゃう人とかいないのかな」



黙っていたら気持ちが伝わってしまう気がして
美鈴が口を開く。


トモが話し出すと
しがみついたままのトモの肩から少しだけ振動が伝わってきて

その振動ですら美鈴の心臓のリズムを狂わせる。



「いるんじゃね?

死にたくない奴がほとんどだろうし…

そこは腕の見せ所だろうな。


まぁ、最悪は殴って気を失わせて連れてくんだろうな」


トモの言葉に美鈴が小さく笑う。


「いいの?そんなんで(笑)」


「いいんじゃねぇ?

…知らねぇけど(笑)


だってちゃんと上まで連れてかねぇと
オレ達死神がやばいし」



ははっと笑いながら言ったトモの言葉に
美鈴がトモを見上げた。


笑みを浮かべていたトモも美鈴の視線に気付き

美鈴の顔を見つめる。




「やばいって…

どうなるの?」



真剣な表情で聞く美鈴に

トモが表情1つ変えずに答える。










「さぁ…

死神失格だし
消滅でもするんじゃねぇ?」











.