「トモは死にそうな人の悔いを晴らさせて天国に連れて行くのが仕事なの?」
ベンチに座りながら遊園地お決まりのソフトクリームを食べながら美鈴が聞く。
『やっぱ遊園地来たらこれだろ』
そう言ってトモが持ってきたソフトクリームは
バニラとチョコで…
『どっちがいい?』
そんな風に選ばされるのも久しぶりすぎて戸惑った。
いつもは一番最後に残ったものを選んでいたから
なんだか照れくさかった。
『…こっち』
戸惑いながらもバニラを選んだ美鈴を見るトモの目が優しくて…
美鈴を余計に恥ずかしくさせた。
「そう。
ってゆうか、まぁ悔いの1つや2つ誰だってあるだろうから
そこまで面倒見なくても本当はいんだよ。
ただ、あの暗闇に引き込んで
あまり動揺させないように案内すればそれでおしまい」
チョコのソフトクリームを食べながら空を眺めるトモに
美鈴が首を傾げる。
快晴とまではいかない空には
細長い雲がいくつか飛んでいた。
バイキングに乗った時に感じた風はもう吹いてはいなくて
穏やかな天気が美鈴たちを包み込む。
「じゃあなんでこんな事してるの?」
美鈴の言葉にトモはそのまま空を眺めて…
ちらっと一瞬だけ視線を美鈴に移してまた空を見つめる。
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