眠り姫にはキスを。




自分に都合のいい夢を見ていただけだよ。



現実の私は、好きな人とまともに話すことさえ出来ないんだから。


地球がひっくり返ったって、そんなこと起きない。




「美沙っ!
もー危ないよ」




ボーッとしすぎてたみたいで、電柱にぶつかりそうになった私を、手を引いて止めた。