「やる」

「え、ありがとうございます」


受けとると、ほんわかと温かい。

中を見ると…


「ホットミルク…ですか?」

「キライか?」

「いや、そんなこと無いんですが…」


何故に湯呑みとそのチョイスなんですか!
と物申したいが、いかんせん、あたしは依頼人という立場。

ぐっと堪えて、一口飲む。


「美味しい、です」

「蜂蜜入りだからな」


雨と冷房で冷えた身体にちょうどいい温度だった。

男は、向かいにあるソファーに座り、ホットミルクをイッキ飲みした。

そして、扇子をバッと開く。


「で、お客さん。依頼内容は?」


ニヒルに笑った口元に、
何故だろう。
すごく気分が高揚した。

この人なら本当に解決してくれるんじゃないか、と。