タマヨビノサクラ これほどまでに見事だとは…… 藤壷は溜め息と共に呟いた。 まるで滝のようだった。 顔を上げた藤壺は、降り注ぐように見える花々に目を細めた。 が、すぐに表情を消した。 桜の向こうの空。 今は昼間なのだから、清々しい青空が広がっている筈だった。 けれど。 赤い……… そう、空は血のような赤に染まっていた。 藤壷は、しかし、その空を美しいと思ったのだ。 恐ろしさなどは微塵も感じなかった。 空の赤色と桜の色。 その対比が、とてもいい。