山崎の素顔は土方よりも少し若く、二十歳を少し過ぎたくらいである永倉や原田と同じくらいの年齢の青年であった。


目鼻立ちが整った顔。肩まで伸びた少し色素が薄い髪。そして、吸い込まれそうな漆色の瞳。


光が一番驚いたのは、見知っている美男子の顔であったからだ。


「……御太郎……山崎さん……?」


「やっぱり光なんやな。お前、何でここに来たん……? 俺の言いたい事、分かるやろ!?」


3人は、いつもは冷静沈着な山崎らしからぬ怒号に、思わず息を呑んだ。


滅多にない事柄に、近藤や沖田、土方までもが驚きのあまり声を発することができなくなっていたのだ。


「……怒鳴ってすんまへん、局長、副長。せやけど、光は間者やない。これはホンマですわ。監視はもう終わりにしたって下さい」


――少し、光と話してきます。


冷静に戻った山崎がそう言い残し、光の手を引いて部屋から出ていく。その間も3人は固まったままであった。