あえて言えば、灰色だ。 そんな状態で未来に希望など持てやしない。 それなのに、大人は将来のことだの進路のことだのまくし立てる。 どこか、死んでしまっても構わないと思っている。 好きなことをして、ぱっと散ってしまえばいいじゃないかと思っている。 どうせ大人になったって、あくせく働かされて、あっという間にじいさんになるんだから。 さらさらとそよぐ風に、ふんわりと新緑の香りがのっている。 それは新しい命の香り。 くすんだ俺とはまるで真逆の香り。