Love*Note~先生に恋した21ヶ月~

あたしは羽織ったままだったコートをゆっくり脱ぐ。



『どうも……ありがとう……』



両手でコートを前に出すと、彼の手がそこへ伸びた。



「いいえ…」



彼の手にコートが渡る。



受け取ったあとそれを羽織ると“じゃ”と小さく言ってあたしに背を向けた。



その後ろ姿を少し見送ると



「じゃあ行こうか」



父が足を前に踏み出した。