Love*Note~先生に恋した21ヶ月~

吹きすさんでいた風は一気に遮断され、温もりが停滞するように広がる。



けど、温かくなったのはコートだけのせいじゃない。




『あたし…今日誕生日なの…』




知らないから話せる。


あたしが恥だと思ってきた家族の事も。




「うん」



涙が落ち着いてゆっくり口を開いたあたしに、彼はただ「うん」とだけ言い、じっと耳を傾けていた。



下手に言葉を挟んだり、親を卑下するあたしを責めることなくただ「うん……」とだけ。