Love*Note~先生に恋した21ヶ月~

『…―――』



顔を横へ振ると、さっきは暗くて見えなかった男性の顔がハッキリ見えた。





――ドキン。



なんだか分からない音が胸の中で鳴った。



大人の男の人に免疫がなかったからかもしれない。




黒い空をバックに浮かび上がった彼の顔は、とても綺麗だと思った。



予想していたようなおじさんじゃなくて、どこかの雑誌から飛び出して来たような端正な顔立ち。



細い声と比例するような、スッとした小さい顔に細身の体。




恐らく20代半ばぐらい。


微かにいい香りがした。