そしてガサガサとテーブルの上に置いてあった"何か"を隠そうとした。
『なにしてるの?』
挙動不審なその行動に、身を乗り出して問いかけた。
「隠しても仕方ないじゃないの」
「だが今日は…」
「今日でも明日でも同じです」
厳しい口調の母。
不安を募らせる言葉に、あたしは父の傍まで歩み寄る。
父の手の中に見えた"もの"はテレビでは何度も見たことがあった。
けれど現実に目にするなんて、考えたこともなかった。
グリーンで印字された用紙。
…――離婚届。
『なにしてるの?』
挙動不審なその行動に、身を乗り出して問いかけた。
「隠しても仕方ないじゃないの」
「だが今日は…」
「今日でも明日でも同じです」
厳しい口調の母。
不安を募らせる言葉に、あたしは父の傍まで歩み寄る。
父の手の中に見えた"もの"はテレビでは何度も見たことがあった。
けれど現実に目にするなんて、考えたこともなかった。
グリーンで印字された用紙。
…――離婚届。



