―――――……
―――……



母と父は、元々性格が違いすぎたのだと思う。



見栄っ張りで、きびきびしている母。



物腰が低く温厚で、どちらかというと人の前に出るのが苦手なタイプの父。




あたしが小学校に上がって間もなく、父の北海道への転勤が決まった。



転校させるのが可哀相だからと、母と私はこの家に残ったけど、そもそもその理由をあたしが誤解していただけなのかもしれない。




母はとても厳しかった。



見栄っ張りな分、躾や勉強に関してはうるさかった。



月曜日から土曜日まではお稽古事がびっしり。


友達と遊ぶ暇なんてなかった。