「ハァ……ハァ……」



足の底が切れて血が滲んでいた。



最後は走る気力もなく、足を引き摺る様にして家の前まで辿りついた。



痛さを通り越して、足の底は既に固く麻痺している。




後ろから呼びとめる2人の声に耳を貸すこともなく、あたしは一心不乱に夜の街に向かって飛び出した。



早く2人の前から姿を消したい。



その一心で。





フラフラしながらバッグの中から鍵を取り出す。



鍵穴に鍵を入れる。