【短編】甘口キャンディー



「…えっと…」




嫌なんかじゃない。


だけど

『うん』

素直に頷くことが出来なくて…


日奈が難しい顔をして目を泳がせる。



「…ってゆうかおまえの返事なんか待つつもりないけど」


上条の言葉が耳に入った途端、腕を引っ張られて
少し前のめりになった日奈の唇を上条が塞いだ。


「…っ」


唇が触れた途端にキュウッと胸が締め付けられて
日奈が目をつぶる。


そんな日奈を確認してから
上条が日奈の頭に手を回した。


より深く重なるように…

日奈の頭を引き寄せる。



「んんっ…」


小さくもれる日奈の声が上条の頭を痺れさせて…

日奈の腰に回した腕に力がこもる。






「日奈…

バレンタインに言った事覚えてる?」


キスの合間に上条が聞く。


「んっ…

な…に?」


「…ホワイトデーにオレやるって言った事」


軽くついばむようにキスをしながら言った上条の言葉に
日奈が赤くなった顔をもっと赤くして…




「…いらない」


気まずそうに言った。





「は?」


「だって…無理だもんっ

今みたいなキスしただけでもうすごくドキドキするんだもんっ


まだ無理だよ…」


顔を歪めた上条だったが
続く日奈の言葉にふっと表情を緩める。





.