【短編】甘口キャンディー



「上条くん、どうかした?」


ぼーっとしている上条を日奈が突然覗きこんできて…

上条が目を逸らす。


「…なんでもねぇよ」


北校舎3階にある会議室は会議室として使われる頻度は少ない。


というのも、

中校舎にも会議室と呼ばれる教室があって
職員室も中校舎にあるため、

何かというとそっちの会議室が使われていた。


北校舎はあまり使わないような部活部屋や
資料室が集まっているため

昼休みにこの校舎に来ている生徒は少ない。





そんな校舎に…

教室に毎日2人っきりだとさすがに我慢も限界に近くて…





まだ不思議そうに上条を見つめている日奈に
上条が視線を合わせた。




「…ちょっとこっち来てみ」


上条が斜め前にいる日奈を呼ぶ。


上条の言葉に日奈が少し躊躇した後
立ち上がって…

椅子に座る上条の前に立った。



南側にある窓から高い位置にある太陽の日差しが差し込んできて

日奈の茶色い髪を透かす。



透けた日奈の髪が揺れるのを見ていた上条が

ゆっくりと口を開いた。




.