日奈は訳の分からない様子で
上条を見上げていて…
そんな日奈にふっと笑みをこぼす。
「…ほら」
そして日奈の目の前に
ずっとポケットにかさばっていた飴を差し出した。
水色の質のいいビニールに
いくつもの星がイラストされている袋は
昨日の夢心地の店を思い出させて上条が小さくため息をつく。
「…昨日、これ買うためにあの駅にいたんだよ」
「これ…
あたしが言ってた飴…?」
「…これが欲しかったんだろ?」
上条の言葉に
日奈がコクンと頷く。
その振動で、日奈のたまっていた涙が床に落ちた。
俯いたままなかなか顔を上げない日奈を上条が不思議そうに見ていると
床に落ちた涙の跡がどんどん増えていっている事に気がついて…
上条が気まずそうに口を開く。
「つぅか、泣くなよ」
どうしていいか分からない上条が
日奈の頭を軽く撫でる。
するとすっかり泣き顔になった日奈が上条を見上げてきて…
「…ありがとう…
…疑ってごめんなさい」
涙目で言った。
そんな日奈に上条がため息をつく。
「いいよ、もう…
それ、開ければ?」
首の後ろをかきながら言った上条に
日奈が安心したような笑顔を見せる。
そしてうれしそうに飴の入った袋を開け始めた。
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